歯周病について
歯周病と歯槽膿漏・歯肉炎
歯周病とは
一般的にCMなどで用いられている歯周病というのは、歯周炎を対象にした言葉だと思います。
歯肉炎と歯周炎を合わせて歯周病という認識で概ね間違いないと思います。
歯周炎とは
一般的に歯周病とは主にこれを差す言葉だと思います。歯周炎は後戻りがきかない状態で、歯を支えている骨が痩せていく病気です。この病気は治るという事はありません。うまく付き合っていかなくてはならず、歯周病予防と言っても悪化するスピードを遅くするしかできません。成長過程にある小児では、修復力が強いためダメージを負っても病的に骨が痩せていくことはありません。
しかし大人になって、既に成熟しきった状態では、壊されていく一方なので歯磨きがうまくいかないだけで歯茎が腫れたり、歯ぐきから血が出たりとすぐに影響が出てきます。ですので、ある程度の年齢を過ぎてきたら、虫歯予防と合わせて歯周病予防も考えていく必要があるのです。
歯肉炎とは
一時的な歯茎の炎症全般を歯肉炎と言います。小児でも起こりうる歯周病の一種です。然るべきブラッシング、体調管理により改善できます。
歯周病と全身疾患
心臓疾患と歯周病菌の関係も取り上げられるようになりました。どうやら心臓の方を悪化させる要因として歯周病菌が作用してしまうようです。
歯周病と口臭
口臭の中でも最も多いケースだと思います。独特な臭いがします。原因が明らかなので、クリーニングを主体とした歯周治療を行っていくことで防いでいくことは可能です。
抜歯をお勧めするケース
隣近所の歯に明らかな悪影響を与えるであろう歯がある場合は、抜歯をお勧めする場合があります。
治療の流れ
1. 診査・撮影
歯周病の原因は、患者様1人1人異なりますので、治療していく前に検査を行い、それぞれに適した治療を行っていきます。
具体的には、歯周ポケットの診査、レントゲン撮影、口腔内写真撮影を行います。
2. プラークを除去
歯周病の原因は歯垢(プラーク)なので、プラークを除去し、付きにくくすることが治療の基本となります。
歯科衛生士による歯みがき指導や歯間ブラシ、デンタルフロスなどで改善をはかります。
簡単に落とせる歯石やプラークを落していき、再検査にて改善を確認します。
軽度の歯周炎の方はここまでで治療が完了します。
3. 歯石や歯垢(プラーク)の除去
中等度~重度の歯周炎の場合、歯石が深くまであるため取りきれません。 このような場合は、外科的な治療が必要となります。
麻酔をしてから歯肉の切開をし、歯と歯肉の間に溜まっていた歯石や歯垢(プラーク)除去します。
4. 定期的なメンテナンス
口の中の細菌を完全になくすことは難しく、歯周病は再発し易いので、治療完了後も定期的なメンテナンスのために通院していただきます。
再発防止には、患者様自身による歯垢(プラーク)のコントロールだけでなく、定期的に歯科医師や歯科衛生士による検診や治療を受け、歯をメンテナンスすることが重要です。
歯周病予防について
歯科医院で行うこと
① スケーリング
② ブラッシング指導
③ 術後の歯磨きを考えた虫歯治療
④ 口腔ケアに用いる道具の選定アドバイス
自宅で行うこと
その人に合った補助器具を使った口腔ケア、うがい薬などを用いた口腔ケアを行っていただきます。
今まで通り、ルーティーンで行っている歯磨きのクオリティでは、歯の状態が悪くなっていくことが分かっているわけですから、考え方として簡単なことから始めていきましょうということです。
つまり、歯磨き粉を歯周病に特化したものに変えたり、うがい薬を1日1回、寝る前に行うことくらい、どんなに面倒くさがりの方でも簡単に続けられそうですよね。要は格好から入ったっていいと思うんです。まずはどんな些細なことでも行動が変わらない限り、結果は何も出ません。
歯周病に関して、院内でできることをやっていくことはもちろんですが、ご自宅での口腔ケアの充実無しに改善させるのは不可能だと思います。